2010年11月23日火曜日

nightmare weekend or another farm gong show


この週末は本当眠れなかった。。。

始まりは金曜日
鶏のけたたましい鳴き声と犬の吠える声で目が覚めた
ほぼ確実に熊の訪問(or襲来)である 動物の鳴き声で分かる
午前3時前 ぬくい布団から飛びだして マグライトを引っ掴み外へ
この時点では自分も寝ぼけていて気づかなかったが熊相手に装備はライト一本

鶏小屋の方まで近づくと2匹いるうちの一匹の犬が近づいてきて側を離れようとしない 仕事しろよ。。。番犬だろ。。。 が、もう一匹のベテラン犬(以下モリー)は吠えに吠えまくって熊を牽制 と言って熊の姿は見えなかったんだけど 二つある鶏小屋のうち(あっ誤解のないよう書いておきますがこの話は現在私が留守番を務めてるファームの話で自分の鶏小屋の話じゃありませんよ)の 飼料の保管箱が見事に破壊されている! が犬の反応が早かったのか熊も食べる時間がなかったらしく袋は破かれていたけど飼料の殆どはセーブする事が出来た Good job,dogs!! この時点ベテラン犬はまだ吠えていたが 近くではなく鶏の鳴き声も収まっていたのでとりあえず飼料箱と散らかった飼料を寒い中パジャマで応急処置で直す 
こりゃ〜寒くてやれんわと 犬も呼び撫でてやり戻し家に戻ると またすぐ犬と鶏の声 「だ〜も〜」などとブーたれつつも 今度はちゃんと上着を着て外に出た するとまた若い方の犬(以下ルーシー)がまた寄ってきて離れようとしない なんだか僕の足のまわりをぐるぐるするばかり 「仕事しろよう」と共にモリーのいる方へ モリーは木の上の方を向いて吠えている そうなんです 熊ってのは追いつめられると木に登っちゃうんだな 木登り得意なんだな んで木に登られちゃうとコッチも手が出ないし向こうも行き止まり なので犬は永久に吠え続ける。。。
「there's nothing we can do,もーどうしようもないから寝ようぜ」と犬に言い聞かし(もちろん通じていない) 家に戻って寝ようとすると また吠えまくるモリー リューマチ持ちのくせに勇敢な老犬である それはいいけどどうすりゃいいのさ〜 普段ならマーティンが外に出て犬達と共に熊を追い 銃声(実際に熊を撃つ訳じゃない)で脅かして追い払うのだが 銃は同じファーム内に12年住んでいる僕のファーム留守番中のトラブルシューター役であるクリスに預けられている いや僕が持ってたって使い方分からんし誰か怪我するのが落ち なのでクリスに電話する事も考えたがその時点でもう午前4時近い。。。 大きな石で放ってみる?とか考えたけどそれで熊が自分の方に来たらどうすんのよ?と思い直し とりあえず鶏が鳴かない以外は無視する事に決めて家に戻って布団に深くもぐった がモリーは自分の仕事を誇りを持ってこなし続けあっちこっちに移動しながら(おそらく熊を追いかけて)吠えに吠え続け 結局殆ど眠れないま 朝の7時にファームの仕事のためOut Of 布団となった


翌朝 更なるダメージを調べてみると鶏の庭(フリーレンジだからね)を囲むフェンスの一部がねじ曲げられているのと散らばった羽毛の中食べかけの鶏が一羽冷たくなっていた 昨夜モリーが吠えていた木の下あたりである 最近常に一羽フェンスから抜け出して更にフリーレンジしていた鶏がいて毎日捕まえては戻していたのだが同じ鶏なのか。。。



そしてその日 土曜日の午後 クリスの家に行って前夜に起きた事を報告し「んで絶対今夜も熊戻ってくると思うんだけどどうしたらいい?」と聞いてみた 返ってきた答えは以下である
「ん〜まず装備がマグライトだけってダメだね 斧とか鉄のフライパン、最低でもベアースプレー(胡椒やチリが原料で出来た催涙スプレー)かなんか持ちなよ! んでイザとなったら鼻を狙う!ってまあイザとならないのが一番だけど勿論でも一応そこが急所だから。今夜また来たら電話しなさいよ、起きれるか自信無いけどワハハ」
そして銃に関して聞いてみると「俺も預かっては見た上に免許も持ってるけど 万が一で間違っても熊を撃ちたくない」同感です 「熊は金属音が嫌いだから鉄のフライパンとか叩いて音出して追い払うってのもアリだよ」とのこと 


そこで気がついた 前の晩自分があまりに無防備だったという事に
ちなみに自分の鶏小屋が襲われた時はちゃんと?フライパンで武装していた
ボケてちゃいかんなー 


そしてその晩 土曜の夜
犬と鶏の鳴き声で瞬間的に目を覚まし 今回は服もちゃんと着て マグライトとフライパンで装備を固め勢い込んで外に出た!! さみ〜〜〜  この辺に住んでる人ならお分かりだろうが今週末あたりからBCコーストはすごい冷え込みなのである でもがんばって出ましたよ フライパンをマグライトでガンガン叩き これがまた自分でもドン引くくらいのデカイ音が深夜のファームにこだまする! こりゃ〜熊も嫌だろう! 「ゆけ〜犬ども〜!」とか叫びつつ 熊のいるらしき方向へ向かって行った! マグライト電池切れかかってんのか昨夜より暗い! すると姿が見える前に熊のフガフガいう鼻息が聞こえる! だけならまだしも人の叫び声?
「Shut Your F***ing Dogs Up!!」とか「Drop Your G***damn 何とかかんとか〜!」とか お隣さんが叫んでるぅ〜〜 そっか〜 近所の人も起こしちゃったか〜ってそりゃそうだ 閑静な深夜のファームエリアで犬も吠えまくりで鉄のフライパンガンガン叩いてりゃ目も覚めるわな といってもじゃあ他にどうしとと? しかしお隣さん口悪いな〜 ご近所さんにFワード使うかねしかし? 困ってしまった僕は 「あっそうだ、クリス♡」と思い出し早速家に駆け戻って電話 案の定出ない。。。 それを聞いて起きる事を願いつつ大きな声で長いメッセージを留守電に残し 外に戻るとちゃんと起きてくれたよ来てくれたよ〜クリス 「let's go check the bear out」と頼もしい〜 そうして再び犬の吠えまくる木の元へ戻ると あれっよく見ると熊3匹いるじゃん! 親子じゃんよ! そりゃールーシーもビビるわな数で負けてたんだもんね お隣さんはまだ怒鳴ってる そこへクリスが一声「今ここに熊3匹いるんだよ丁度アンタと俺の間くらいにね、だからちょっと黙ってなよ!」 本当に黙らせた 
ここで学んだね 人間言わなきゃいけない時ははっきり言わないとダメだ、と でも可能な限り相手を怒らせないように言葉を選んでね ふむふむ お隣さんもファームですから熊にうろうろされたくないんでしょう どうやら理解してくれたようです!
が、トリオthe熊ちゃんたちは未だ木の上でフガフガ言ってます なんか可哀想だな。。。腹減ってるから餌探してるだけなのにな。。。 つってウチの鶏食われちゃかなわんのでどうしたものか? そうこうしてる間も犬達は吠えっぱなし ビビってたルーシーもクリスのチーム加入で元気になったか一緒に吠えまくり さてどうしよう?
とりあえず ご近所さんへのリスペクトと自分達の睡眠の為にも一番イケイケなモリーを家の中に入れて ルーシーだけを外に残し 鶏の悲鳴が聞こえない限りはモリーを家から出さないようにしてみるのはどうだろう? という事に 「いや〜でもそれで鶏ちゃん達大丈夫かな?」とも思ったけれど 自分もあんまり眠いので同意 モリーを連れて家へ 

まだまだ終わんないよこのゴングショー!

家に連れ込まれたモリーは悲しそうにキュ〜キュ〜なき 外でまた鶏の声がするとわんわん吠えだし 外で鳴かれるよりよっぽどうるせ〜〜(怒)!! しかし熊もまだ周辺にいるようだし 耐えきれずまたモリーを外へ そしてこの夜もモリーは一晩中働き続けた えらいぞ! そしてこの夜も僕は殆ど眠れなかった つらいぞ!


そして日曜
近くのハンティングショップへ ベアーバンガーという熊を追い払う目的で使われる花火?のようなものを買いに行った 店員さんはとても不親切で 「熊を追う払うのに何か効果的な方法を知ってますか?」と聞くと 「yeah, shoot it」だって 聞く相手間違えたよ が、このベアーバンガービックリするくらい小さい! ショットガン並みの音が出るのに大きさペンくらい(写真参照) しかも弾の部分が銃の部分の半分くらい ってこれ大丈夫なん? でも銃を使うよりマシだし効果は絶大らしいのでやっぱ買った しかも写真見て下さい これで$55だって ぼったくり〜 それにしてもちいさい 怖いくらいちいさい
なので僕は「ディフェンスは最大のオフェンスである」作戦を発動 まずリサイクルディーポで空き缶を沢山貰ってきて重ねたり連ねたりしながら結婚式の車の後ろに付けるようなカンカンの飾りを沢山作って鶏のフェンスのまわりに付けた これでもし熊が侵入しようとしたらガチャンガチャン言うはずである これを見たクリス一言「誰かに教わったの、これ?」 「いや、僕の思いつきです」 そして夜には鶏小屋の入り口や窓を板で塞いだ上にシャベルやピッチフォークで補強 毎日やる事を考えるとかなりだるいが可愛い鶏のためなので仕方ない そしてまた夜はモリーは家の中に残す事にした 

その夜 
外はマイナス2℃ もしかしたら熊も冬眠したかも?と希望的観測を胸に モリーを家に ベアーバンガーを手元にして眠った するとどうでしょう 朝の鶏の起きだす時間(午前4時過ぎくらい)まで ほぼ無音!でぐっすり眠れましたよ! 鶏が起きた時の声に反応して自分も目が覚めモリーもキューキュー言ったけれどもそれだけ! 朝になって鶏小屋周辺を調べてもダメージゼロ! 熊のフットプリントもなし!

ファームに平和が戻りました!! 
ベアーバンガーも使わずに済んだ($55したけど)!!

いったい何が功を奏したのかわからないけど とりあえず熊一家は戻ってきませんでした
今日がそれから3日目の夜となります ああ睡眠って素晴らしい

しっかし本当ドタバタした週末だったよ


追伸、でも熊が悪い訳じゃないんだよ 熊だって食べたいんだから
   鶏は食べないでおくれ、というお話 

2010年11月12日金曜日

名案だと思うんだが

自分ひとりで思いついたオリジナルなアイデアではないけれど
本当に名案だと思う事をいくつか書いてみようと思います


名案その一
「政府運営のオーガニックファーム」

googleでサーチしてみたけどこれといってピンと来るものはヒットしませんでした
でも私が思うのはこんなかんじ
政府運営のオーガニックファーム(オーガニックと言うところが実は大事、オーガニックでなければ政府が企業と手に手を取って営利最優先の、遺伝子組み換え/農薬&ケミ肥料の食物大量生産の方向に行く可能性大)を、失業率は高いが農地のあるコミュニティに開いて、学校としても機能させ有機農業を学びたい人を誘致し、その地域の活性化も図っちゃう
場所の候補は例えば 農地をぶっ潰してダムを建設しようという計画のあるPeace Riverエリアとか、環境汚染と危険な労働で悪名高い鉱坑(mineの事ね)を新たに開こうと言う計画のあるChilcotonエリアとか ある訳ですよ まあもちろん他にもBC州内に農地はいくらでもあるわけだけど こういう一時的な経済的損得を優先した開発計画よりも 上手くやればほぼ永久に続けられる有機農業で 人に食&職を与え 食物をよりローカルに流通させる事でCO2も削減 BC州の自給率もアップ 素晴らしいじゃ〜〜ん♡

でも何故政府経営か? それはですねー
働く人の収入を安定させるため(冬の間の失業保険や干ばつなどの天災で市場が崩れる、とかの場合の助成金とか)、ひとつひとつのファームとして経営するんでなく政府が全体を管理するってどうよ?キューバみたいにさ!



名案その二
「学校の授業に栄養学」

どんなに親が健康に気を使っても安全な食物にこだわっても
たいがいの子供達はTVのコマーシャルに出てくるような加工食品を食べたがる これがマーケティングの毒である 子供達は今や完全に資本主義におけるマーケティングのターゲットで企業はその製品を子供達を通して親に売りつけている ファーストフード店の一部はまるで遊園地である ピンクやブルーのカラフルなお菓子や スーパーヒーローも(コマーシャルの中で)食べている油と人口調味料ぎっとりの冷凍食品 を何の疑問も持たずに子供達は食べたがる
でも 子供達がその食べ物の中に入っているものが何なのか それらが彼らにどういう効果をもたらすのか知っていたらどうでしょう? 
学校というものが子供達が成長していくにおいて必要な事を学ぶ場所であるなら 人間が生きていくのに最も大事なもののひとつ、食べ物について教える事は大事なんじゃないかなあ?
栄養と食品添加物の基礎知識を学校で教えるようになったら 世界が変わるくらいのインパクトあるんじゃないか? 
とは私の妄想ですが あると良いと思う
大人もうけたいよね こんな授業



名案その三
「マリファナ合法化」

諸説あるけどね、WHY NOT???
この名案に関するお話はまた次回、長くなっちゃったからさ

熊殺し!

っていうか熊が殺したんだよ 僕らのチキンを


一昨日からファームのお留守番(オーナーはバケーション中♡)が始まり
昨夜は寒かろうと思い犬も猫も家の中に入れて皆でテレビなんかみてくつろいでたところご近所さん(同じファーム内に住んでる)のクリスが現れて
「聞いた?聞こえた?熊出たよ、多分あんたの鶏小屋襲ったんじゃないかな」

急いで犬連れて走っていってみると鶏小屋はドアも窓につけた卵を生む小部屋もひっぺがされあたりは鶏の羽だらけ
当然我々はFワード連発 腹立つわ悲しいわってもう .....あれ?
遠くに鶏の声 2羽逃げ切ったようで暗闇で小さくなってキューキューいっていた
生き延びた2羽をマーティンの鶏小屋に移し 私とクリスと犬は熊探索へ
でも私達銃持ってない! クリスは片手に野球バット 私はフライパン...
ま、素手よりはマシか? 
普通に熊に山で遭遇するなら音をたてたりなんだりで
大概やり過ごせるが 犬と一緒に暗闇の中 熊を追い払うってちょっと怖い
それに熊(black bearね)が生きた動物を襲う事は滅多になく(そりゃサーモンとかは食うけど)
今までもファームであった熊被害は熊が鶏の餌を狙ってくるだけで
鶏そのものを狙ってきたのは今回が初めて 
(と言っても当然腹減ってりゃあ鶏を襲って食う、とはクリスの弁)


同じ熊がマーティンの鶏を狙って戻ってくる事も十分考えられるので
夜はなかなか寝付けなかった 今宵も警戒注意報 
槍でも作ろうかな?(self defense!)

2010年11月3日水曜日

the only constant thing in the universe is change

なんと書き出したら良いものか。。。


8年間住んだサンシャインコーストと
3年働き2年住み込んだファーム HenryReedから引っ越す事に決めました


ある意味断腸の思いで下した決断でした
今でも「本当にコレで良いのか?」と考えてしまう 

8年の間に出会った友達や  泳ぐ事は楽しいと教えてくれたサンシャインコーストの海と湖  キノコ狩りからパーティと私達のプレイグラウンドだったエルフィンストーンの森   “ロバーツクリーク”というスーパースペシャルなコミュニティとそこに集まる奇妙で素晴らしい人々(あえてヒッピーとは呼ばないよ)



そしてHenryReed...

惜しむ事なくFarmingの全てを教えてくれたMartin
質問をすれば全て丁寧に教えてくれ 資料としての本やファームの過去ログも惜しみなく貸してくれた(門外不出だけどね)
2年前からトレイラーを置かせてもらってファームに住み込みはじめたけれど 破格の安さの家賃で住ませて頂いているうえに家庭菜園と呼ぶにはあまりにもデカい畑(グリーンハウスも!鶏も!!)までも同僚のJadeと共に持たせてもらって道具も借り放題 にもかかわらずファームの野菜も常にわけて頂いていた
HenryReedの仲間は(そこに住んでいる人もそこにいつもやってくる人も)みな一様に本当に良い人達だ  環境を思い 食べ物を育てる事も食べる事も愛し それぞれの事情の中人生を謳歌している  そして最低平均月一回の“ファームミーティング”と称するパーティは常にテーマの違うポットラックで皆が持ち寄る食べ物のレベルは「レストランのケータリングか?」と思われるくらいのクオリティ

はっきり言って いられるものなら一生HenryReedにいたいとすら思っていた
(それは無理とも承知していたけども)



そして自分の畑.....


たった2年ではあったが 自分で開き育ててきた畑を手放す事はやはり辛い
執着は苦しみを生むばかりというが 「アレもこうしたい コレもこう改良したい」と時間と手間をかけてbuild upしてきたこの畑は 誰か違う人に引き継がれる事になる



と 思い返せばきりがない 本当にきりがない
だから本当に離れがたい 思い返されるすべてを愛してやまないからだ
久しぶりに 本当に久しぶりに 悲しくて泣いた




それでもここを出ると決めたのは ひとえに私の男 ダンのせいである
この2年近く別々の町で私達は暮らしてきた お互いに別の事がやりたかったからだ
でもそれはお互いにとって 良い状況ではなかった 
やりたい事が出来るという恵まれた環境の中で唯一 お互いが欠けていた

やはり私達は一緒にいるべきなのだ という結論に達した

これまでの人生で私は 自分のやりたい事を常に最優先してきたけれど
今回は おそらく人生で始めて パートナーをサポートする為に自分が妥協する
はっきりいって自信無い


でもがんばってみます



引っ越す先も小さなファームなので(動物中心だが)また自分のガーデンも小さくはなるけどまた持てるのでイノチノワも続きます 今度の場所はHernryReedに比べるとかなりのチャレンジです なぜって 水を取ってる井戸が毎夏一ヶ月くらい枯れちゃうんだって! Real permaculture challenge!!




次の町の名は Powell River!!